虹の女神
IRIS(イリス)は、
フランス語でアイリス(日本ではあやめ)の花の色の名前です。
bougieは、ろうそく、という意味。
une bougie sentimental は、ひとつの感傷的なろうそく、という造語です。
イリスは、古代ギリシャ神話に登場する虹の女神の名前でもありました。 その女神は虹を人格化したもので、神々の伝達係りとして描かれています。
空と海の女神であり、世界に雲を氾濫させるために必要な水を与え、「虹」という姿で出現します。
太陽が地球と天国を統一するように、イリスは人類と神々の間を繋げるのだそうです。
小さな頃から、空に虹がかかるのを見つけるたびに、
虹のかさなりに目を凝らしては、空を見上げて色を探していました。
空の上に架かる虹を見上げる経験は、きっと、 人生のうちに 数えられるくらいしか 見ることの出来ない 一瞬の偶然のプレゼントで、
はかなくて うつくしい、
そんなことが 本当は たくさん
過ごしていく暮らしの中にちりばめられているのだと思います。
ろうそくを灯すと、
そういう想いがキラキラ輝いて、時間が ゆっくりと静かに流れていきます。
忙しい毎日の中でも、
自由に こころを手放して、
あなたらしい満ち足りた時間をもつきっかけに、
ちいさな ろうそくの灯りがなりますように。
そう願いながら ろうそくを作りつづけています。
この場所で,
また あたらしい瞬間に 出逢える奇跡に感謝して。
雨が降り続く夜に。
eri 2010/5/24